自ら問いを立て、先端サイエンスの最前線へ

自らテーマを決めて研究する探究学習を通じて、スクールミッションに基づき、先端サイエンスのさらに最前線を走る、次世代の理系リーダーの素養を身につけます。

理数探究

本校の理系教育における特長は、〈理数探究〉をベースに展開する学びです。自らの興味関心に基づいてテーマを設定し、その謎を解き明かすべく授業の中で試行錯誤を重ねて研究(探究学習)します。〈理数探究〉は高校の学習指導要領改訂に伴い導入されたもので、数学的・理科的見地や考え方を通して課題解決に応用する学び。さらに本校では、その前段となる〈理数探究基礎〉をGSコースの中3次に設定し、先取りで実践しています。

真の理数教養とは、単に公式や化学式を暗記するだけで終わりではありません。その教養を「どう活かすか」を意識しながら、自らの研究・探究で社会をより良いものに変える、意欲的な理系リーダー人材となることを期待します。大阪医科薬科大学をはじめとする多くの大学や研究機関とも連携するなど、バックアップ環境も充実しています。

多くの大学・外部研究機関との連携

同一法人である大阪医科薬科大学のほか、大阪工業大学、RHESE(研究実験施設・環境安全教育研究会)など、専門性の高い外部組織と連携。最新の設備や機器を用いた研究、チューターによるバックアップ、各種学会での発表など、中学・高校だけではなかなか経験できない先端サイエンスの舞台に触れることができます。

長期の研究を可能にするカリキュラム

本格的な理数探究が始まるのは、コース選択後の中3以降。最低でも1年かけて行います。2年目以降はさらに深めるのも良し、新たな研究対象を見つけて挑むのも良し。長期にわたる研究(探究)活動が可能です。そのために、中3で週1時間(基礎定着)、高1・高2で週2時間(研究を実践)、高3で週1時間(まとめと発表)の段階的カリキュラムで、豊富な研究時間を確保しています。

豊富な実験・実習環境

「学んだら、実際にやってみる」。この考えを大切に、座学と実験の比率を概ね1:1に近づけようと、中1から授業内で多くの理科実験を行います。生物部、電気物理研究部など、部活動における実験活動も盛んです。また、プログラミング学習を含む、情報系科目にも注力。さらに、各種実験教室が並ぶScience Streetなど、施設面も充実しています。

過去の課題研究テーマの一例

  • 防音材の厚みと音量の減少率の関係(高1、物理)
  • 2台のメトロノームの距離と同期現象の関係(高2、物理)
  • 酸性雨によって起こるコンクリート(塩基性)の劣化防止(高1、化学)
  • 食品の残存水分量と菌繁殖の関係(高2、化学)
  • 音が植物の生長にもたらす効果とその利用(高1、生物)
  • ドクダミによる発芽抑制(高2、生物)
  • ハザードマップを用いた災害アプリの作成(高1、情報)
  • 災害現場における状況確認支援用小型探査機の開発(高2、情報)

SSセミナー

通常の教科学習で学ぶ内容を掘り下げ、専門家からさらに踏み込んだ深い教養を得られる特別セミナー。全コース・全学年の生徒を対象に、年間を通してさまざまなテーマで開講されます。生徒の課題研究テーマに照らして、その道の専門家を講師にお招きすることもあり、参加は任意ながら毎回多くの生徒が熱心に聴講しています。

大学リソースの最先端科学

本校は、大阪医科薬科大学と同一法人である強みを存分に活かし、多彩な高大連携プログラムを用意しています。大学ならではの設備や知見、研究者から、科学や医療の最先端を直接学ぶことができる絶好の機会となっています。

基礎医学講座

(対象:高校1・2年希望者)

医学部進学希望者向けの医学講義(全8回・各90分)。解剖学、生理学、生化学、薬理学、微生物学、法医学、衛生学・公衆衛生学、病理学を学ぶことができ、これをきっかけに医学への道を志す生徒も多数います。

基礎薬学講座

(対象:中学2年~高校2年希望者)

薬理、薬剤、衛生、化学・生物、医療など、薬学に関連する専門講義を受講できます。4回以上参加した生徒には、大阪医科薬科大学から修了証が授与されます。

医学部実習

(対象:高校1年希望者)

医療各分野のスペシャリストである先生や医学生からの直接指導で学ぶ、医療技術実習です。聴診器で心音を聞くことから縫合の実習まで、現場で医療体験に触れることができる貴重な体験となっています。

サマーサイエンスプログラム

(対象:高校1年GSコース)

高度な生命科学分野に切り込む実験講座。大阪医科薬科大学薬学部の研究室にて、DNA採取や細胞組織の観察に取り組みます。

高大接続課題実習

(対象:高校1・2年GSコース希望者)

高校の実験室では実施できない、大学ならではの機材や環境をフル活用して行う高度な理科実験実習です。過去には「職業性疾病の検査」「自分自身のアルコール代謝能を知る」などをテーマに取り組みました。

最先端医学教室

(対象:中学2年全員)

大阪医科薬科大学医学部の教員で現役医師の先生から、現在取り組んでおられる最先端の医学研究について学びます。技術的な情報はもちろん、医師としてのプロ意識や倫理観など、志に対する暑い薫陶を受けることも。「医師を目指す」とはどういうことか、確かなキャリア観の醸成にもつながることでしょう。

思春期教室

(対象:中学2年全員)

新生児模型で抱き方を学んだり、心音を聞いてみたり、装具を用いて擬似的な妊婦体験をしたり。大阪医科薬科大学病院産婦人科の医師・看護師・助産師である先生方のご指導のもと、生命の尊さを考えます。

データサイエンス講座

(対象:中学2年~高校2年希望者)

大阪医科薬科大学医療統計室教員の指導のもと、ファクトフルネス(データや事実に基づいて、世界を正しく読み解こうとする習慣)の考え方を身につけます。複数のデータから関連性を導き出せる専用サイト「Gap Minder」を用いて、複数の臨床データから関係性を導き出し、効果的な医療処置などに迫ります。

高大連携プログラムの主な取り組み

立命館大学経営学部との高大連携事業「アントレプレナーシップ講座」
2024年度「基礎医学講座」第8回
2024年度「基礎薬学講座」第5回