Global Advanced Course-

SGHプログラムの蓄積を発展させ、世界の課題を解決するイノベーターに

環境汚染、薬害、公衆衛生、感染症……「グローバルヘルス」をメインテーマに、世界を取り巻くグローバルイシュー解決の担い手となることを目指すコースです。2020年度までの5年間にわたるスーパーグローバルハイスクール(SGH)プログラムで培ったカリキュラムを引き継ぎ、さらなる進化を目指します。さらに、海外名門大との連携やフィールドワークなど、グローバルな学びの舞台も豊富。文系・理系を横断しながら自らの研究テーマを設定して探究しつつ、世界に資する価値観とスキルを育てます。

本校のSGH事業

 本校は、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校(2016年度~2020年度)、スーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク参加校(2021年度~)です。

 同一法人下にある大阪医科薬科大学との緊密な高大連携の下、国際的な課題である「グローバルヘルス」に焦点をあて、京都大学グローバルヘルス学際融合ユニットからの支援も得て、文・理混合のクラス環境の中で、世界の人々、特にアジア圏の人々の健康を支える「課題研究」に取り組んでいます。中学3年次から4年をかけ本事業を推進し、バランスのとれたグローバルマインドをもつグローバルリーダー育成のための教育課程の開発を行ってきました。毎年、高校1年次に課題研究・中間発表を台北市の現地高校で実施し、高校2年次には南太平洋のパラオ共和国にて同国政府関係者の支援の下、フィールドワークを実施することで、無二の課題研究を仕上げています。

関連リンク

SGH事業について、詳しくはスーパーグローバルハイスクールホームページをご覧ください。

育成を図るグローバル人材像及び当該人物像を踏まえ,生徒が身に付けることのできる資質・能力

 育成を図るグローバルな人物像とは、「グローバルヘルス」に関する諸課題について深い理解と問題意識を持ち、この向上と持続可能な地球環境を生み出すことに貢献できる人材である。この人材に求められる資質・能力は、

  1. グローバルイシューについて理解と問題意識を有すること
  2. 論理的思考力・批判的思考力を有すること
  3. 国際語としての英語力を備えていること
  4. コミュニケーション能力を有すること
  5. リーダーシップを有すること

グローバル人材育成に資する発展的な実践に取り組む教育課程等の内容

SGH指定期間の実践を踏まえ、以下の学校設定科目を設置する。

高校1年次「グローバル課題研究」の設置(2単位)

 「総合的な探究の時間」の科目。本校教員編集による独自教材を用いて、グローバルヘルス、グローバルイシューについて学ぶ。下記のテーマからグローバルヘルスとの関連性を持ってグループで課題研究を進める。①水・食料問題 ②教育問題 ③紛争問題 ④貧困問題 ⑤環境問題 ⑥エネルギー(資源)問題 ⑦ジェンダー問題 ⑧民族・難民問題 3学期に中間発表を台湾・台北市延平高級中学で披露する。

高校2年次「グローバル課題研究」の設置(2単位)

 「総合的な探究の時間」の科目。高校1年次で取り組んだ探究活動を深化させ、アジア圏のグローバルヘルスに関する個人探究活動を行う。指導にあたっては、京都産業大学国際関係学部教授、京都大学グローバルヘルス学際融合ユニットからの支援を受ける。2学期末にパラオ共和国で海外フィールドワークを行い、海外での資料収集・調査を行う。学年末に課題研究を完成させ、校内や国内の発表会において、その成果を披露・公表する。

高校1年次「(外国語)グローバル英語表現I」の設置(2単位)

 学習指導要領の「英語表現I」に加え、英語でプレゼンテーションやディスカッションを行うための英語表現の獲得を行う。外国人講師によるグローバルセミナー、国内外の英語での交流会・発表会、海外フィールドワークでの活動に資する英語力を養う。

高校2年次および高校3年次「(外国語)グローバル英語表現II」の設置(2単位)

 学習指導要領の「英語表現II」に加え、英語でプレゼンテーションやディスカッションを行うための英語表現の獲得を行う。その後それらの実践的プラクティスを行う。外国人講師によるグローバルセミナー、国内外の英語での交流会・発表会、海外フィールドワークでの活動に資する英語力を養う。

高校1年「(外国語)グローバル時事英語」(1単位)

 時事英語に特化し、海外の事象を速やかに情報収集し、要約発表や自分の意見を述べることができるよう、ネイティブ教員の指導により英語運用力の向上を図る。


 さらに、本校は併設型中高一貫校であることから、SGH指定期間に引き続き、中学3年生を対象に以下の学校設定科目を設置する。

中学3年 総合的な学習の時間「グローバルスタディーズ入門」(週1時間)

 バランスのとれたグローバル人材育成の基本を作ることを目指し、国際人に必要な教養を学ぶとともに、グローバルイシューやグローバルヘルス、アジアの歴史を扱った平易な英文記事を読み、要約発表や、内容についてのディスカッションを行う。またグローバルリーダーのあるべき姿について考える機会を設け、 海外大学オンライン講座(MOOCなど)への手ほどきも行う。

国内外の高等学校・大学・国際機関等との連携による,より実践的で高度な学習活動の内容

 これまで、SGH指定期間を通じ、海外の高等学校・大学・国際機関等との連携を進め、高度な学習活動を展開してきたが、今後もこれを継続・発展させていく。

国内の大学との高大連携について

 大阪医科薬科大学、京都大学、京都産業大学、関西学院大学等と、学部や研究室のレベルで連携をしてきた。とりわけ「京都大学グローバルヘルス学際融合ユニット」との連携は深く、ユニット在籍の海外からの若手研究者を招聘し、グローバルセミナーを開催したり、課題研究における生徒への個人指導をして頂いている。京都産業大学国際関係学部の教授にはパラオフィールドワークの事前研修のため同共和国に関する歴史・政治・経済・文化等についての指導をして頂き、課題研究においても指導・助言を頂いている。関西学院大学とはWWL事業の関連校として活動に参加している。

海外の大学との高大連携について

スタンフォード大学

 過去6カ年にわたって、本校とスタンフォード大学国際異文化教育プログラム(The Stanford Program on International and Cross-Cultural Education at Stanford University)が共同で「グローバルヘルス」をテーマとした全8回のオンライン講座”The SPICE/Stanford e-course on Global Health for Takatsuki Senior High School”を開講している。修了生徒にはスタンフォード大学より修了証を授与される。

国立台湾大学(公共衛生学院)、私立台北医学大学 (公共衛生学院)

 高校1年次の台湾研修において「グローバルヘルス」を専門とする台湾のトップ2大学において、学部長をはじめとする教授陣を前に、本校生が課題研究の中間発表を行い、助言・指導を頂いている。

ロンドン大学 衛生熱帯医学大学院

 これまでに2度、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のピーター・ピオット学長(エボラウイルス共同発見者、国連合同エイズ計画 初代事務局長)、同大学院ハイディー・ラーソン教授にご来校頂き、本校で「グローバルヘルス・シンポジウム」を実施し、生徒の研究発表を見て頂いた。2017年7月には、本校生40名がロンドンの同大学院を実際に訪問、ピオット学長の歓迎を受け、ラボの見学をさせて頂いた。

ケンブリッジ大学

 高校1年の年度当初に、グローバルリーダー研修と英語研修のため、ケンブリッジ大学関係者による教育機関BlueBridge Educationに委託し、本校に特化したプログラムで3日間のInternational Young Leaders Advancement Programmeを実施している。

海外の高等学校との連携について

台北市 私立延平高級中学

 高校1年次の台湾研修において、私立延平高級中学にて本校生が課題研究の中間発表を行い、同校生徒と深い協働学習の機会を設けている。

私立ミンゼンティ高等学校、国立パラオ高等学校

 高校2年次のパラオフィールドワークにおいて、学校交流やホームビジットを行うと共に、フィールドワークの調査に協力をして頂いている。

国際機関との連携

WHO(世界保健機構)神戸センター

 これまでに2度、他校の高校生を招待し、本校で「グローバルヘルス高校生フォーラム」を開催したが、同センターのサラ所長からご支援を頂き、フォーラムでの基調講演をして頂くと共に、高校生の学習活動についてご助言を頂いた。

その他の公的機関との連携

 高校2年次のパラオフィールドワークにおいては、パラオ政府保健省、同教育省、同国務相、国立パラオ病院、NPOパラオ環境保護協会、在パラオ日本大使館より多大な支援を頂き、現地調査や資料収集を実施している。

実践的な方法を用いた学習活動の内容

 高校1年次、高校2年次の「グローバル課題研究」の展開においては、グループワーク、ディスカッション、論文作成、プレゼンテーションのいずれもが含まれており、それらなしにこの科目の学習活動は成立し得ない。グローバルイシューについて一通りの学習をした後、生徒自らが指定されたカテゴリーからテーマを定め、仮説を立て、リサーチクエスチョンを設定し、アプローチの方法を定め、フィールドワーク等、実施調査を経て、結論を導く。これを校内・校外でのプレゼンテーションを通して、専門家や外部からフィードバックを得て、さらに改善し、成果物集としてまとめ、最終的には「提言書」として外部に発表するというプロジェクト型学習の形態をとっている。高校1年次では、仮説やリサーチクエッションの設定、アプローチ方法の決定において、グループワーク、グループディスカッションは欠かすことはできない。年度末の台湾研修では、同学年の台湾の高校生やこの分野の第一人者である大学教授に対して英語でプレゼンテーションを行うことを必須としている。

自己評価,学校関係者評価の実施と公表方法(予定)

 SGH指定期間と同様、生徒は質問紙法と本校独自のルーブリックによって自己評価を行う。また公的な発表会・大会等に積極的にエントリーすることで、生徒の将来の進路設計への実績とすることができる。担当教員は、これら生徒自身の自己評価の把握や公的な発表会・大会等における本校の指導のあり方についての外部からの評価等を通して、この事業の進捗状況を把握し、今後さらに発展させるための評価指標とすることができる。さらに学校として、SGH指定期間と同様、外部委員からなる運営指導委員会を設け、この事業の企画・運営に関して専門的な助言や評価頂くこと、また学校関係者評価委員会においても年度ごとに評価を頂き、これを学校ホームページにおいて公開することを予定している。

GAコースの学びの特長

学びと課題解決の当事者へ

「グローバルヘルス」をメインテーマに、自ら抱いた問題意識に対する解決策を探究。「なぜ学ぶのか」「学びを社会にどう活かすか」に向き合います。

世界トップレベルの知との協働

ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、京都大学など、世界の名だたる名門大学のプログラムと連携。研究、討論、プレゼンテーションなどに挑戦できます。

世界の「今」を知り、学びの意欲に

海外フィールドワークをはじめとした、世界視野の学習体験を多数積むことができます。世界の現在地や課題を知り、学びへのエネルギーに変えましょう。

GAコースの特色ある学び(一例)

グローバルセミナー

地球の裏側のできごとを、自分ごとに

日本で生活していると見落としがちな、世界の現実や課題。その現状と取り組みを海外(あるいは外国人)の研究者の方々から学ぶセミナーです。グローバルイシューへの当事者意識と志の出発点となります。

海外課題研究中間発表会(高1・台湾)

世界を舞台に働くことの「今」を知る

高1で台湾を訪れ、現地の学校や企業と交流しながら、自分たちの課題研究の成果を英語で発表します。グローバルヘルスに関するより深い知識と経験を蓄え、研究と探究をさらに洗練していきます。

全国高校生フォーラム

全国のSGH研究生が集結

SGHネットワークに所属する全国の高校生が集まり、それぞれの課題研究を発表するイベントです。生徒間投票による評価なども行われ、知識や刺激を共有できます。

アジアフィールドワーク(高2・パラオ)

南太平洋の島で、実地調査と平和学習

日本と親交が深いパラオ。現地高校生や要人らとのインタビューや対話集会などに参加して実地調査に取り組みます。太平洋戦争の激戦地・ペリリュー島も訪れ、平和の尊さと自分たちにできることを考えます。

スタンフォード大学オンライン講座

世界のトップ大学と共同開発

スタンフォード大学(米国)と共同開発したバーチャルクラス。海外の研究者らから英語でグローバルヘルスを学び、一定基準をクリアした生徒が修了証を授与されます。

GAコースの教育活動

高2 GAコース研修旅行「パラオ・フィールドワーク」
国際シンポジウム2024でポスター発表を行いました
第31回外国人研究者によるグローバルセミナー