高1GLコースの希望者6名の生徒が、広島県 大崎上島でのキャリア研修として離島体験に行ってきました。
1日目は、大崎上島町役場の課長さんや観光協会の事務局長さんと意見交換会を行いました。立場や視点は異なりますが、高齢化率が40%を超え人口が減少していく状況下で、どのようにすることが島を良くすることにつながるのかを真剣に考え、様々な取り組みをされていることを知りました。残念ながら、事前に準備した質問の半分も聞くことができなかったようですが、知らなかった世界を感じ取ることができ、すごく勉強になったようです。
夜はレモンのジャム作りを体験しました。慣れない手つきで包丁を使ってレモンの皮をむき、切ったレモンを煮詰めたあと加えた砂糖の量に驚き、容器のデコレーションでは躍起になって取り組んでいました。自分たちで作ったものをお土産として持って帰ることにとても嬉しそうでした。
2日目は朝から民泊が始まり、漁船に乗って刺し網漁に行きました。網を引き揚げるとヒラメやエイ、イシガキダイがかかっており、それらを教えてもらいながら捌きました。晩ご飯ではそれらが刺身や唐揚げとなって出てきて、本当に美味しかったようです。魚が苦手と言っていた生徒も考えが変わったと言っていました。また、エイを食べる機会はなく、かなり思い出深く残ったようです。時間の空いた時には、タモを使ってエビの稚魚を取り、それをエサにして魚釣りもしたようで、日頃できない遊びができたようです。初めての民泊ということですごく緊張しており、受け入れ家族の温かさをすごく感じたと、生徒たちは感謝の言葉を口にしていました。
3日目は、まずは岡本醤油醸造場を訪問し、醤油の製造とこだわりについてお聞きしました。今まで深く考えてこなかった醤油ですが、様々な行程を経て作られていることに驚いていました。醤油も幾つかの種類があるようで、お土産に思い思いのものを買っていました。
続いて中原観光農園を訪問し、農園の特徴やオリーブについてお話を伺いました。土づくりでは島内の他の業種とも連携して上手に行っていることを知りました。実際に収穫した実から作られたオリーブ油をいただきましたが、とてもいい香りでサラッとしていました。パンにつけて食べると美味しく、何個も食べている生徒もいました。
この研修でお会いした方々は、いろいろな職種で個性をいかし、離島の特徴をいかしながら本気で取り組まれていました。周りの人とも協力し合いながら、島を盛り上げていきたいという共通の目的を持っているようでした。そこには民間や行政の壁は低く、互いに島にとって良い事は協力し合う体制ができているようでした。島の魅力の一つに『人』と応えておられましたが、行く先々でそれを強く実感しました。
離島における暮らしを見て生徒は衝撃を受けるとともに、キャリア意識の幅を広げたようです。課長さんから『知識だけでなく体験することが重要』と言われましたが、この研修を通して生徒たちは人生観が変わり、自信も持てたようです。この経験を今後の進路に生かしてくれることを願っております。
最後になりましたが、本研修は大崎上島町 地域経営課 地域振興係(海生体験交流協議会事務局)の手厚いサポートのおかげで、とてもスムーズに進めることができました。この場を借りて、御礼申し上げます。