今年度の文化祭は,校舎改築工事が重なり,また共学化の関係で一部例年とプログラム変更があったため,予想されていたことですが,生徒達・教員にとって非常に運営の難しいものとなりました。チケット制の導入,アリーナの活用方法,来場客の動線確保など,一つ一つの問題にかなりの時間を要しました。そんな中,第52回高槻中学校・高校文化祭のテーマである「Origin」の下,生徒達は議論を重ね,一致団結し,必死に準備をしてきました。このテーマの辞書的な意味は「起源・物事の始まり」です。共学化を迎えた1年目の文化祭という意味ではそうかもしれませんが,今まで培ってきた文化祭の伝統を継承し,良い部分を生かしつつ,「新しい物を創造」していくことを表しています。これを受け,子供達は先輩から受け継がれてきたものをブラッシュアップさせ,少しでも質が高いものを来場客の皆様に見せようと毎日遅くまで練習を重ねていました。

しかし,一般公開の日に台風上陸という不運な事態が起こり,午前中で切り上げなくてはならなくなり,急遽「高校2年生優先発表プログラム」に切り替えました(後にも先にもフィナーレを一日に2回行った文化祭は今回しかないのではないでしょうか)。下級生の団体がせっかく練習してきたのに発表できないもどかしさや不満を抑え,運営に協力してくれたことを本当に感謝しています。

最後になりましたが,ここでサッカー日本代表を率いたイビチャ・オシム元監督の言葉を引用したいと思います。『選手たちが戦術を作る―。これが私の考え方だ。あとは誰がプレーしようとも,好きなようにプレーしてくれ』(オシム元監督が既存の戦術論に凝り固まらないよう選手たちに自分の頭で考えることを促すために送ったメッセージ)。これを少し置き換えると,『生徒たちが文化祭を作る―。これが学校の考え方だ。あとは誰が運営・発表しようとも,好きなようにしてくれ』(当然,ルールの枠内ですが)。今年度の運営上,日程上の課題を検討し,下級生達が自分たちで考えて,より良い文化祭を作り上げてくれること(台風が来ないこと)を願ってやみません。