- 2023年11月9日(木)16:00~17:30
- 大阪医科薬科大学医学部 生化学教室 助教 福井健二先生
- 「DNAの傷と病気」
今年度第8回を数える基礎医学講座では、生化学教室の福井健二先生をお招きし「DNAの傷と病気」というテーマで講義いただきました。
生徒たちはDNAの傷が修復されるしくみや、病気、免疫、進化との関わりについて、興味をもって講義を聴いていました。
質疑応答でも活発に発言しており,基礎医学講座の最終回に相応しい講義となりました。
全8回に渡って講義をしてくださった大阪医科薬科大学の先生方には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
受講した生徒の感想
- 今、ちょうど生物の授業でDNAの勉強をしているので、身近に感じられて面白かったです。DNAに傷がついていることは知らなかったし、私たちの体の中で常に起きていることだと知り、驚きが大きい講義でした。図や絵が豊富で、ポイントが分かりやすい講義でした。
- 一見無関係に見えるような病気と遺伝子の傷が深く関係していることから、医療はやはり色々な分野が合わさることでより良い学びにつながるのだなと感じました。
- DNAの傷と最初に聞いたとき、どうしてもマイナスなイメージだけを思い浮かべたのですが、この傷が進化をもたらしていると知り、ますます生物に興味を持ちました。
- 自分の体内で毎日起こっていることなのに全く知らなかったし、人体って本当に上手にできているんだなと思い、「自分」を知ることはどの分野でもとても難しいと思いました。
- 基礎医学講座最終回であり、いつも以上に楽しみにしておりましたが、その期待に応えてくださった大変興味深い講義でした。特に「DNAの傷は悪か?」という議論では、「傷」という名からは想像できないような決定的な役割を果たしているのだと分かりました。
- 化学の知識や図をたくさん使って説明してくださったので理屈がとても分かりやすかったです。また、複製する時におこったミスを埋める機会を利用して不正確なDNA修復が起こって変異を起こすことにとても納得できました。ここまで細かい仕組みをもっている生物とてもすごいなと思いました。
- 様々な症状の原因を探り、仕組みを知ることが、がん患者を助けたり、色々な人の未来へつながっているんだなと思いました。医療は医療だけで成り立つものではなく、医学、医療のメカニズムを分析することも医療の根底にあるものだと感じました。
- 一番感動したのはリンチ症候群についてです。これがわかることによってがんの早期発見につながるのがすごいと思いました。また乳がんや卵巣がんが遺伝するしくみを知ることができ、とても興味深かったです。
- 日々DNAは傷ついていてそれを修復することを利用して抗体を作成するために形質を改変することを知れてよかったです。また、修復するすべての傷を、抗体をつくるために形質改変しているのですか?それともある修復方法が抗体をつくる役割をもっているのですか?というように抗体の生成過程が気になりました。
- ストレス誘導変異導入のお話がとても面白かったです。家に帰ってから自分でも詳しく調べてみたいと思います。
- ストレスが強くなることでDNAが変異しやすくなることに驚きました。精神と身体は一一体となっていて、生命の構造には無駄なつくりはないことに気付きました。
- DNAの傷は病気の原因ではあるが進化の原動力ともなるというのは深いなと思いました。何でも表裏一体とは言いますが、生命でもそう言えることに驚きました。またこれから日本は医療費削減のために病気の予防が大切になってくるということが印象に残りました。