- 2024年10月2日(水)15:40~17:10
- 大阪医科薬科大学薬学部 臨床薬学研究センター 教授 矢野 良一先生
- 「薬物治療のサイエンスとアート」
基礎薬学講座の第3回は臨床薬学研究センターから矢野先生をお招きし、「薬物治療のサイエンスとアート」と題して講演いただきました。
お話はまず薬”Medicine”の意味や、EBMの意味から始まり、NBM、医薬分業、薬「カロナール」を例にとった取扱説明書の見方、薬剤師としての体験談と続きました。先生のキャリアや幾多のエピソードに触れ、心にしみこむ貴重なお話を聞くことができました。
特に薬物治療の「art」とは、①患者さんに対する人間としての姿勢、癒やし ②患者さんの疾病や暮らしについての創造力 ③ひとり一人に適した治療を提供するための創造性 の3つからなる、というお話が印象的でした。
受講した生徒の感想
- 今までの講座とは一風変わって薬剤師としてのあり方について考える機会を与えるような内容で、奥深く面白いお話しでした。
- 薬の安全性や強度だけを重視して、患者さんに勧めるのではなく、患者さんがどうしたいかなどの意思や思いなども大切にすることが大事なんだと思いました。副作用ができるだけ少ない薬を作りたいなと思いました。
- 薬剤師の仕事や、矢野先生が影響を受けた患者さんの経験を聞くことができてよかったです。抗がん剤は大きな副作用があり、患者さんだけでなく、患者さんの周りの人にも関係するんだと思いました。また、薬剤師は薬の治療を提案するだけでなく、薬の副作用についての説明すると知れてよかったです。
- これまでの何回かの講義ではあまり内容が分からなかったのですが、今回この講座は身近な薬や薬局などで接することもある薬剤師さんについての話だったので、興味を持ちながら聞くことができました。全国の医療用の薬品がおよそ13000品目もあって、薬剤師さんはだいたいどんな薬かはあくしていることにとても驚きました。800年ほど前にフリードリヒ2世が医師と薬剤師を区別したのは、自分が毒殺されることを恐れたからだという説を面白いと思いました。貴重なお話ありがとうございました。
- 私は今のところ、どちらかといえば医者よりも薬剤師に興味があります。今回のお話を聞いて、薬剤師はお薬を創ったり、研究するだけでなく、患者さんに寄り添ったお薬を創ったりするなど、研究以外にも必要なことがたくさんあるのだと分かりました。最後のお話を聞いて、患者さんご自身だけでなく、患者さん以外の家族、友達にも何かしら影響を与えるということを再認識しました。今日はお忙しい中、ありがとうございました。
- 今日の講義を聞いて、薬剤師になるには多くの努力が必要であることが分かりました。理科が得意なだけでは薬が作れないし、薬を渡す時に、人に説明もできないと行けないので、国語、数学、理科など多くの知識を学んだ上でこの仕事が成り立っているのだと思いました。
- 私はこの講義を聞いて、薬剤師は患者とのコミュニケーションも大切だが、医師とのコミュニケーションも大切だと思いました。また、「Science」と「Art」によって患者さんにとっての最善の治療法をすることができるんだと思いました。今日はありがとうございました。
- この基礎薬学講座は研究の話とか薬の構造とか難しい話をが多く、薬の世界に対して敷居が高く感じていたのですが、臨床では患者さんのことを考えられていて、分かりやすかったです。ありがとうございました。
- 今日はすてきな講演ありがとうございました。今は全く将来の夢を決めていない私ですが、薬剤師という職業も視野に入れています。矢野先生の患者と向き合う姿勢にとても感動しました。治療のことだけでなく人の気持ちを考えられるような人に私もなりたいです。
- いきなり専門的なことを話すのではなく、身近な話やそもそも薬とは何かから話してくださったので、とても分かりやすくてよかったです。また、実際に自分が担当した患者さんの話を聞けて、めったに聞けない話だったので、とてもためになりました。まだ将来なりたいものが決まっていないので、もっとよく考えて生きたいなと思いました。
- 今までただ薬が好きで知りたいというだけだったのですが、薬物治療に責任を持たないと行けない、自分の選択で患者さんが危険な状態になることもあると聞いて医療に関わるということは自分の好きなようにしてはいけないなと思いました。
- はじめ題名を見た時薬物治療のサイエンスな面は何となく想像できましたが、アートの面は想像できませんでしたが、講演を聞いて、ただ治すだけでなく一人一人の患者さんに対する姿勢が大切であることを知りました。薬の知識だけではなく、患者さんの生活や治療に対する意向を理解して薬物治療をすることを初めて知りました。
- 今までの講座とは違った個々の患者に対する治療の仕方が分かりました。患者中心の治療でも、まず前提として患者の話を聞くこと、そこから患者の治療のイメージをつかむのが本当に大事だと思いました。そして先生が治療に関わった患者さんの話から、医師だけではなく、薬剤師も責任を持つこと、最適な薬は何かということを思考し続けること、治療の説明の仕方も重要ということを深く知ることができました。