- 2024年9月25日(水)15:40~17:10
- 大阪医科薬科大学薬学部 衛生化学研究室 講師 東 剛志先生
- 「地域おける疾病負担の把握と対応策の実践 -薬学の公衆衛生-」
基礎薬学講座の第2回は衛生化学研究室から東先生をお招きし、「地域おける疾病負担の把握と対応策の実践 -薬学の公衆衛生-」と題して講演いただきました。
お話はまず公衆衛生とは何か、から始まり、公衆衛生には医学部だけでなく、薬学・看護学・工学・理学などさまざまな領域の人々が取り組む広い範囲の学問であるという話が続きました。
先生は感染症の流行や対策についても長年研究され、それらの研究内容についてもお話しいただきました。感染症の流行状況を探知し、適切な対策を講じるためには、下水や河川水の分析が有効であり、研究だけでなくその成果をどのように社会に広げていくかというお話も印象的でした。
受講した生徒の感想
- 今回、公衆衛生の講義をはじめて受けました。水が何度も再利用されていて、大阪では5回も処理された水が使われていることに驚きました。実際にコロナ禍を経験していたこともあってよく理解できたと思います。今年の冬はインフルエンザの流行のニュースを見る目が変わると思います。
- コロナウイルスのまん延があってから、感染症対策に少し興味があったので面白かったです。医薬品が環境汚染につながっているというのを初めて知ったので驚きました。環境分析の一つとして、水の中の抗インフル薬の検出量から感染者数を予測できるのは画期的だなと思いました。
- 日本が抗インフルエンザ薬をたくさん使っているのに驚いた。下水から病原体が出ていることに驚いた。
- 今日の講義を聞いて、公衆衛生の大切さが分かりました。多くの病気はすべてを防ぎきることはできないけれど、なるべく予防できるように今できることをしていこうと思いました。
- 現在、やっとコロナが収まりつつあるが、これまでの経験上、世の中で10~20年に一回感染症のパンデミックが起きることを知り、コロナが落ち着いたから感染症対策を適当にすることなくきちんと行っていこうと思いました。また、将来なりたい職業がまだ無いので、薬学なども選択肢に入れて考えようと思いました。
- 公衆衛生は、人々に健康のことや感染症の予防策などを提供するだけでなく、感染症の動向を把握したり、医薬品での環境汚染を調査・対策したりすることも分かったし、抗インフルエンザ薬の使用量が多かったり、タミフルで環境汚染したこともある日本だからこそ、医薬品の使い方を見直したりするのも大事だと思いました。本日はありがとうございました。
- 環境と薬学を結びつけて考える授業を受けたことがなかったので、自分の視野が広がりました。抗インフルエンザ薬の話は詳しく聞いたことがなかったので、とてもためになった。
- 質問に対応して頂き、ありがとうございました。カモがインフルエンザすべてを持っているのは、何が起源なんでしょうか・・・。なぜ日本はタミフルを優先して取り入れたんでしょうか・・・。とにかく、こんなに身近な淀川から過去に63種の薬剤が検出されたのには驚きでした。スライドも面白かったし、分かりやすかったです。楽しそうに話されていて、公衆衛生の仕事が楽しいことが伝わってきました。
- 私は去年何度かインフルエンザにかかったことがあるが、小学校の時は毎日タミフルを飲んで寝てなどの生活だったが、去年はイナビルを1回吸うだけでよいとお医者さんに教えてもらい、時代がたつにつれて新しい薬が出るんだなと思いました。もっと30年、40年たてばインフルエンザにかかる前に予防できる薬などが出るのかなーと思いました。とても興味深い講演ありがとうございました。
- 身近な例として、インフルエンザは病気として私たちに染みついているので、今回の講義で公衆衛生についてより当事者意識を持つことができました。医薬品の使用量が日本はとても多いと知って驚きました。やはり、それによって救われている命が多いからなのではと思えました。環境中の試料の分析を行うことで、感染症の流行状態を把握できる技術が、他の病気などにも活用できたら、と思いました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
- 公衆衛生が医学部や薬学部だけでなく、理学部や工学部も取り組んでいることに驚いた。インフルエンザの繁殖に気温や湿度が関係ないことに驚きました。病気を治すための薬が環境問題につながってしまうことは、あまりよくないと思うけど、これからどう変わっていくかが興味深いです。インフルエンザがコロナウイルスなどよりも人類に大きな影響を与えてきたことに驚いた。インフルエンザに対して、そこまでやばいという考えがなかったので、驚きが多かったです。