今年度のプレゼンテーション講座は5/2(木)と5/9(木)の2回に分けて開催し、大阪大学の山本仁教授に指導いただきました。
第1回目はプレゼンテーションの基礎講座で、プレゼンの基本的な考え方、構成や細かいテクニックなどを講義いただきました。
講義の後、第2回目で行うワークショップ「対象を変えるとプレゼンがどう変わるのか」の説明がありました。このワークショップは「放射線の利益と不利益」という共通テーマでA【高校生】、B【大人】、C【小学生】とそれぞれ対象を変えたときに、対象に応じてどんなプレゼンが有効かを考えるものです。
第2回目プレゼンテーション講座では、まず5限目に各対象の班に分かれて予選を行い、生徒間投票で代表プレゼンを選出し、続く6限目には全員でその代表プレゼンを聴きました。
A【自分たちと同世代の高校生相手】にプレゼンするチームーーーーーー
わかりやすい表現を心がけていた。「お酒と一緒」という身近なことに例えてみたり、いろいろな工夫が見られた。「しきい値」などの用語についても正確に伝えようとする姿がみられた。
「自分たちの目線でみて知りたいと思うことを伝えようとした。(発表生徒談)」
B【近所の顔見知りのおばちゃん相手】にプレゼンするチームーーーーーー
身近な話題に触れて理解を深めるように心がけていた。大阪弁を使って親しみがわくように語っていた。
「今回のテーマが「放射線のリスクとベネフィットの比較」ですので、そこから逸脱しないように、そして専門知識がない人にわかりやすいプレゼンを意識しました。課題としては、本番になるとアイコンタクトやジェスチャーなども忘れてしまうので、念入りな練習が必要と感じました。(発表生徒談)」
C【弟妹のいる小学校へ出向いて小学生相手】にプレゼンするチームーーーーーー
動物の会話形式にして極めて平易な言葉を用いて、説明していた。質問もその対象になりきって行い、このワークショップの趣旨を十分に理解して、全体に非常に協力し合ったなかでプレゼンを行い、聴くことができた。
「わかりやすい言葉で言い換え、できるだけ大きな声で盛り上げるようにプレゼンした(発表生徒談)」
第1回プレゼンテーション講座で学んだテクニックも随所に見られ、いずれも1週間で仕上げたとは思えないようなできばえでした。
最後に山本先生から、「聴衆のことを考えたうえで彼らをどう変容させるかということを第一優先にすることを考えるとき、プレゼンは『素人のピアノの発表会』というより『プロの演奏会』のようなものである。今日のプレゼンを、もし実際に放射線の被害を被った人を対象に行うのであれば、もっと相手の立場に立って行わなければいけないということになるだろう。」という言葉をいただきました。
この講座を体験して、高校1年生のプレゼンテーションが大きく変わることが期待できるよい機会となりました。