1月25日(木)に関西医科大学リハビリテーション学部作業療法学科長の種村留美教授をお招きし、「高次脳機能障害と認知症のリハビリテーション」をテーマとしてSSセミナーを実施しました。
生徒にとっては普段なじみの薄いテーマということもあり、最初に作業療法とはどんな領域の学問・職業かについてから話は始まりました。わが国ではアメリカより遅れて1965年から作業療法士(OT)の養成が始まり、現在の作業療法士の数は約11万人いるとのことです。この数は世界第2位の数で、高齢化社会でその需要は増加傾向にあります。
続いて、脳の地図、とくに前頭連合野についての説明の後、半側空間無視、失語症など、高次脳機能障害の具体例や検査法についても詳しく説明していただきました。
また、高齢社会における問題として、平均寿命と健康寿命の差、認知症予防法、認知症リハビリテーションの具体例など、たくさんのことをお話ししていただきました。
受講生徒の感想
- 興味深いお話をありがとうございました。あまりなじみのないものの、昨今よく聞く脳機能障害や認知症について学べて非常に楽しかったです。
- メモしたいことがたくさんあり、とても興味深いお話ばかりでした。特に、半側空間無視の患者さんの絵や構成障害の患者さんの絵は、脳と行動の密接な関係を表していたし、このようなことがあるんだと驚かされた。スウェーデンは福祉国家であるので、スマートホームや家のことがすべて統一された高齢者にやさしいリモコンなどの開発が進んでいるとは思ったが、認知症患者さんの自立や社会復帰に重点をおく姿勢は見習わないといけない点だと強く感じました。作業療法とは何かがはっきりした上、とても興味がかきたてられました。ありがとうございました。
- リハビリテーションではその人に合った手段で対応する必要があり、大変な仕事だと感じたけれど、すごくやりがいがありそうだと思いました。脳は人が生活する上でとても大事な部位だと改めて知り、脳について詳しく知れてよかったです。
- とても分かりやすかった。もっと脳について詳しく知りたいと思った。
- 日本で認知症の方がたくさんいて介護する人が足りていないというのはなんとなく知っていたけれど、脳の細かい機能などは知らなかったのでなるほどと思いました。また、最近では先端技術を使ったいろいろな仕組みがあると知って驚きました。私も周りの人が認知症になったりしたら、ちゃんと助けてあげられるようもっと学びたいです。
- 私のお母さんやおばあちゃんが「またボケたわ・・・」とか言っています。なので、前頭葉を使うようにと伝えておきます。そして、私のおばあちゃんはかなり物知りでよくテレビを見ています。だから先生のお話によると、認知症を防ぐ方法としてそういうのもあるのだと知りました。また、前から興味があった世界の困っている人たちへの作業療法についても知りたいです。
- 作業療法について初めて知ったけど、高齢化社会の日本には重要な役割だと思った。この道に進むかはわからないけど、自分の進路選択で生かせるかなと思った。