7月18日(火)、19日(水)の2日間にわたり、大阪医科薬科大学医学部において「高大接続課題実習」が行われました。開催は2019年以来4年ぶりとなります。
この実習では、高校1年・2年の理数探求の時間に生物分野の研究を行っている生徒の研究を促進するために、大学でしかできない実験手法を学びます。
主な実習内容は以下のとおりです。
実習分野 | 実習内容 |
解剖学 | マウスの解剖 |
生物学 | 魚類の分子系統樹を作成するバイオインフォマティクス |
微生物学 | ディスク法による抗菌物質感受性試験 |
生理学 | ゼブラフィッシュの体幹筋のカルシウムイメージング |
生化学 | ミュータンス菌(虫歯菌)のバイオフィルム形成に影響する物質の阻害効果をマイクロプレート法により測定する実験 |
「マウスの解剖」レポート
マウスの解剖では、一人1匹のマウスをつかむことからスタートしました。
麻酔しているあいだ、杉山先生から解剖方法を実演していただき、いよいよ各自1匹の解剖を始めました。
さすがに意欲が高い生徒ばかり。杉山先生と二木先生の的確なアドバイスを受けながら、はさみとピンセットで熱心に解剖を進めます。
3時間でいろいろな内臓、眼球、そして脳まで取り出すことができました。
「魚類の分子系統樹を作成するバイオインフォマティクス」レポート
橋口先生のご指導の下、まず親しみやすいように、各自好きな「寿司ネタ」10個を書き出し、図鑑で和名・学名・生息地域などを調べました。
その後、学名をもとにNCBI(アメリカのNIHが運営するデータベース)を使って、10種のCOX1(シトクロム酸化酵素cサブユニット)遺伝子の塩基配列を調べました。
そして、系統樹を作成するMEGA11というソフトを利用して10種の分子系統樹を作成しました。高校1年生は初心者でしたが、3時間で完成できました。
受講生徒の感想
- 教科書ではわからないようなところまで自分で解剖して触ることができて百聞は一見に如かずだなと思いました。一通りの臓器を取り出すだけではなく、自分が知りたいと思った尻尾や耳の構造まで見たり、さわったりできて貴重な体験でした。(解剖学)
- 普段、口にしているお寿司の魚から分子系統樹を作成するとは思っていなかったので、驚きました。学名は全く知りませんでしたが、ラテン語でもなんとなく意味がわかる学名もありました。シトクロム酸化酵素cサブユニット1遺伝子の塩基配列のデータをNCBIで調べているとき、A、G、C、T、がたくさん並んでいて、わくわくしました。塩基配列を調べているときは分子系統樹が全く想像できませんでしたが、MEGA11を使うことですぐに分子系統樹ができて、感動しました。今まで魚にはそこまで興味がなく、お寿司を食べる時に、遺伝子の差など考えたことはありませんでしたが、分子系統樹を作成してみると、確かにこれとこれは似ているかもしれない…と思う魚もありました。私はパソコンなどは全く使えない人ですが、橋口先生に教えていただけたので、分子系統樹を作ることができました!ありがとうございました。(生物学)