6月14日(水)、京都大学大学院農学研究科 准教授の峯彬先生にお越しいただき、「病原細菌に対する植物免疫シグナリングネットワークの動態研究」と題し、「植物と病原体の5億年戦争」をテーマとしたSSセミナーを開催しました。

植物病理学の紹介から、植物にも免疫があり、細菌が持つ鞭毛に対する受容体をもち細菌を判別していること、それに対して細菌が植物の気孔を開かせて植物に侵入すること、また、アグロバクテリウムを使った遺伝子組換え技術は植物病理学からスタートしたことなど、分かりやすく、面白いお話をたくさんして頂きました。加えて、農学部は対象とする生物の幅が広いこと、就職に強いことなどを教えていただきました。

受講生徒の感想

  • あまり植物に対する病原体のことを知らなかったので、面白かったです。また、遺伝子組換え食品が安全かどうかなどなぜ議論されているか不思議だったので、納得できました。私も植物のことをもっと知りたいし、人がそれを利用したり、きがを防いだりすることができる農学を知りたいと思いました。ありがとうございました。(中1)
  • スライドがとても分かりやすくて面白かったです。植物が知らないうちに病気になっているのをはじめて知りました(サクラのこぶ病)。植物も今まで色々な進化を遂げてきたんだなと思いました。また機会があればお話を聞きたいです。(中2)
  • 病気や食べられなくなる植物が10億人分あることに驚きました。また、植物が病気になるとどういう結果になるか、またその結果に至る過程や話がとても驚異深かったです。日常に出てくる植物がたくさんあり、新しい発見が多かったです。植物がどうやって病原菌に侵入され、どうやってそれに対抗するかの過程や進化がとても面白く、植物・病原菌がそれぞれの目的のために双方が色々な手段を作り出したのがすごいと思いました。遺伝子組換えは良くないなと思っていたが、話を聞いて考えが変わりました。(中3)
  • 農学部に対する興味がより深まりました。植物病理学が進んでいけば、日本の農業の可能性も広がるのかなと感じました。遺伝子組換え技術に対して、漠然とした不安しかなかったのですが、きちんと自分で調べて自分の意思を持とうと思うきっかけになりました。ありがとうございました。(中3)
  • 遺伝子組換え技術が病原体から発明されたことにとても驚きました。また、遺伝子組換えされた食べ物は体に悪いと思いこんでいたので、今回体に悪いことはないと聞いて情報はただ信じるのではなく、きちんと調べて本当に正しいか確かめるのが大切だと思いました。植物は動かないし、見た目では分からないけど、うちでこんなに激しい病原体との戦いを繰り広げていることを知り、なんだか植物を身近に感じられました。今後もさらに植物病理学の研究が進めば人類にとって利益になることが多くあると思うので、楽しみです。とても分かりやすく面白い講演ありがとうございました。(高1)
  • 植物や病原体などにはあまり興味がなかったのですが、今日この講義を聞かせていただいてとても興味深い学問だなと思いました。飢餓は気候変動などが原因だと思っていたのですが、実は病原体も原因だと知り、植物を守るためには遺伝子組換えが必要だと今日初めて知れました。(高1)
  • 今まで農学部が行っている活動の内容を知らず、未知の学部でしたが、今日のご講演で内容を少し理解でき、知りたいことが増えたと思います。特に私が一番興味を持ったのは、ファイトプラズマ病によるアジサイの花が葉に変わることです。この病気はすごく面白くて他にもどんな病気があるのか知りたいと思いました。今日は素敵なご講演ありがとうございました。(高1)
  • 植物が思ったよりも明確に病原体への対策を持っていて、驚きました。日常的によく見る遺伝子組換えの作物が、植物病理学の産物だとは知らなかったので、意外でした。今まで余り触れたことのない分野のお話でかなり興味深かったです。(高1)
  • 最初に10億人分の植物が病原体によって損失しているということを聞いて、とても驚きました。そして植物病理学は植物を治すのではなくどう防ぐかを大切にしていて、植物の様々な作用を利用していることが分かりました。また、サツマイモは天然の遺伝子組換え作物であることも驚きました。本日は興味深い講演をありがとうございました。(高2)
  • 植物と病原菌の攻防が思ったよりも複雑なもので驚きました。植物に知性はないのに、長い年月をかけてこのような入り組んだ仕組みが作られていくのを知り、自然の凄さを感じました。(高2)