3月28~30日に、「未来創生 協同探究プロジェクトin大崎上島」の実地研修が行われました。以下の記事は、本校の参加生徒によるレポート(一部加筆修正あり)です。
1日目(3月28日)
出発の日の朝7時50分、新大阪駅に高槻生全員が揃いました。8時18分発のぞみ79号で広島まで向かい、途中の岡山駅から岡山高校さんと合流しました。広島駅では、前日入りしていた明星高校さんとも合流しました。そこで、昼の弁当(駅弁)としてそれぞれが思い思いのものを買い、バスに乗り、島へ向かうフェリーの港まで移動しました。港に着いて、福山暁の星高校さんと合流し、参加者全員が揃いました。
フェリーは一階に車を搭載することができ、車とバスとトラックで満載になっていました。乗船客は二階で休んで30分の船路を楽しむことができます。昭和後期のいい雰囲気を感じながら、波の静かな、きれいな瀬戸内海を渡りました。フェリーが島に接岸し、バスは島に上陸。ここは本州ではない、橋も掛かってない離島、大崎上島。島内での移動は車が中心で、狭い道を私たちもバスで移動です。
かもめ館の会場でお昼ごはん。この記事の筆者は、広島駅でお勧めされた穴子飯を食べました。コロナ対策のため、しっかり黙食をしました。
その後、入島式を行い、各校の先生方、Classi社の方から挨拶がありました。島の方の講話と意見交換においては、ホテル清風館の社長の角南さん、観光案内所事務局長の反岡さんから、この島でそれぞれ取り組まれていることについてお話しいただきました。「豊かさとは人と人との繋がりの中で生み出されるもの」との言葉もいただきました。
次に古い町並みを残す木江地区を散策し、島の現状について肌で感じることができました。ふるさと資料館も訪れ、島の歴史と文化も深く知りました。
宿泊先のホテル清風館は小高い丘に立ち、ここからの展望は最高で、露天風呂で感じる瀬戸内海の潮騒は最高でした。
夕食後に、現地の方からの講話として、教育による島の地域創生に精力的に活動されている取釜さんのお話を伺いました。大崎高校で魅力化プロジェクトに取り組まれた方で、島での活動について聞きました。取釜さんは「豊かさとはやりたいことをやっているときのこと」と話されていました。
(U、F、Y)
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2日目(3月29日)
午前中は漁師である中村さんの船に乗せてもらい、前日に仕掛けていた刺し網を引き上げる作業を体験させてもらいました。はじめてのため、網を引き上げ、魚が絡まった網をほどくのはとても大変で、難しいパズルのようでした。およそ一時間の体験でしたが、座布団みたいなヒラメやたくさんの鯛、ボラやカワハギを取ることができました。それらのさばき方も丁寧に教えてもらい、揚げたり刺身にしたりしたものを昼食にいただきました。とれたてで新鮮で柔らかいものや歯ごたえのいいものがあり、日頃食べているものとは比べ物にならないくらい美味しかったです。
午後は、まず、島の名産品である車海老や牡蠣を養殖しているファームスズキを訪れ、塩田を活用して育てていることや、鈴木さんの思う豊かさについて教えてもらいました。車海老を実際に試食させてもらいましたが、とてもクリーミーでおいしかったです。
その後、岩崎農園へ行きました。ここでは「せとか」と呼ばれる高級みかんを、自分たちでそのまま絞ってジュースにしていただきました。日頃スーパーなどで買うと何百円もするそうで、体に染み渡るおいしさでした。経営者の岩崎さんからは、島に来たときの苦労や、後継者不足の現実、それに対する取り組みなどを聞くことができました。
(N、F)
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3日目(3月30日)
午前中は、この島が昔、造船で栄えていたということで佐々木造船に行き、佐々木さんよりお話を伺いました。まずは場内を見学し、日常では見られない大型の機械をもちいて建造されている船を見せていただきました。佐々木さんは常に世界のことを視野に入れており、物事を変えるためのものの見方や考え方を学びました。また、佐々木さんは「豊かさとは人とのつながりである」とおっしゃっていました。
その後、醤油作りのすべての行程を手掛けているということで全国的に有名な岡本醤油醸造所に行きました。一つひとつの作業の意味とその大切さを教えていただきました。とても大きな樽の中でじっくり熟成され、その土地の料理に合う絶妙な味の醤油となるようです。岡本さんは「人との繋がりや自分が良いと思ったことを実践することが豊かさにつながる」とおっしゃっていました。醤油とポン酢は手作りという事もあって、市販されている醤油と比べて奥が深く、でもあっさりとしていてとても美味しかったです。
(M、N)
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生徒たちは各日のミーティングで、それぞれ意見を出しあうことで新たな気付きを得て、より深い学びに至りました。この後、更にオンラインで探究を続け、8月に発表会を行う予定です。
最後になりましたが、大崎上島はご高齢の方が多いため、コロナ感染拡大の防止対策がより一層求められ、本研修の受け入れに対し様々な困難があったことが予想されます。そんな中、この活動にご協力いただきましたすべての方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。