10月8日(木)、中学3年GLコースの総合学習「クリティカルシンキング基礎」の時間に、朝日新聞社の江原健大氏・外園周二氏を講師にお招きし、出前授業を行いました。

 「新聞記事の背景とその読み解き方」 ~時事問題の報道を通じて~ という題名の下、新聞記事とそれを執筆した記者のメッセージ動画により、一つの記事が書かれる過程や背景を深く学びました。特に「クリティカルシンキング基礎」の探求学習の重要なステップである「課題の設定」の参考になるよう、記者がどのように「問い」を立て、多角的に情報を集めているかという観点から授業を展開していただきました。

 取り上げた記事は、全米オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手が、人種差別反対の意思表示でつけた「7枚のマスク」に関するものでした。大坂選手が7名の黒人犠牲者の名前が書かれたマスクを1試合ごとに披露し、決勝まで勝ち上がったできごとに関して、その記事を書いた藤原学思記者がニューヨークから高槻中学生のためにビデオメッセージを送ってくださいました。記事に書く時の課題意識、取材の苦労、情報の取捨選択、執筆時の工夫等が語られ、生徒たちは食い入るように動画に見入っていました。授業の最後は、新聞記事の末尾にある大坂なおみ選手の言葉で、締めくくられました。

 「あなたがどんなメッセージを受け取ったのか。それの方が(大坂なおみ選手が伝えたかったことより)もっと大事です。」

生徒の感想
  • 新聞に載っている情報は問いの集まりで、問いを自分でたくさん考えてさらに取材しないといけないので、クリティカルシンキングの授業でやっていることと関係していて、役に立ちました。 藤原記者のメッセージ動画を観て、新聞はネットと違って字数に制限があるので、その取材が記事になるかどうかわからないのに色々な人に取材をしたり、たった数行のために1時間も電話取材したりしたと聞いて驚いたし、行動力が必要な仕事なのだなと感じました。
  • 問いを立てるためにはまず、多くのことに関心を持つようにアンテナを張る必要があるとよく分かった。だから、アンテナをよく張りながら生活し、もっと自分の知りたいことを探求できるようにしていきたい。問いを立てて答えを得るのが大切なのではなく、考えることが大切だと分かった。
  • 今日の授業は、とても良かったです。特に、伝えたい「問い」の作り方を理解することができました。