10月29日、GAコースの中学3年、高校1年、高校2年の生徒に対して、ボツワナ出身の京都大学医学部附属病院薬剤部から研究員である Mpumelelo Ntogwa氏によって ”Lessons learnt from Botswana’s HIV/AIDS treatment programs”―「ボツワナにおけるエイズ資料計画からの教訓」というテーマでお話をしていただきました。

最初にご自分のバックグランドについて、ボツワナ生まれ、小・中学校はジンバブエ、高校はボツワナに戻り、そして大学はキューバのハバナ大学で薬学を学ばれたことをご紹介されました。その後、母国に戻り病院薬剤師として働き、現在は京都大学においてHIV/AIDSに関する博士取得予定者(Ph.D Candidate)として研究を続けているとのことでした。次に、ボツワナの国の位置、大きさ、自然の美しさ、人口、ダイヤモンド産出ではロシアに次いで世界第2位の産業であることなどを簡潔に話されました。

今回のテーマであるHIV/AIDSに関しては、最初にその基礎としてHIVとAIDSの違い・感染経路・全世界の罹患人口・ボツワナでの過去の状況をスライドをもとに話され、このために平均余命が大幅に下がったこともあったとの説明でした。そのような危機的な状況を打開するためにボツワナではその対応に3段階の時期があり、特に第3段階での対策の中で“Masa”と呼ばれる抗レトロウイルス療法プログラムが非常に効果を上げ、その治療法を広め維持するためにどのようなことを行ってきたのか、そしてその対策が現在抱える問題と今後の目指す目標を詳しく講義していただきました。

感染症の中でも世界的に大きな問題となっているHIV/AIDSについて、アフリカにあるボツワナという国を通して知ることができたことは、グローバルヘルスを課題として考える生徒にとって非常に意味のあるセミナーとなり、今後の課題研究の一つの指針を与えるものとなったといえるでしょう。