7月16日・17日のそれぞれ午後に、大阪医科大学において「高大接続課題実習」が行われました。

目的は、GSコース生の課題研究を進めるにあたって、参考となる実験を実施していただくというものです。

参加者は高校2年GSコース7名、高校1年GSコース2名、GLコース2名、GAコース6名でした。 今回は、「基礎医学講座」の受講生にも呼び掛けました。

解剖学教室
杉山紀之講師
動物(マウスなど)の解剖
生物学教室
橋口康之講師
魚類の分子系統樹を作成する実験
微生物学教室
中野隆史教授
呉紅講師
細菌の同定に関する実験
生理学教室
山下愛美助教
遺伝子工学の基礎
~PCR法および制限酵素によるDNA操作~

「細菌の同定に関する実験」をいくつかの写真で紹介します。

細菌は見た目では判断できませんので、グラム染色と、生化学的性状検査で何という種か判定しようとしました。これは安価なので、病院で普通に行われている検査方法だそうです。

グラム染色では、プレパラートを火であぶり、数種類の染色液で染色し観察するというもので、大腸菌はグラム陰性(ピンク色)、納豆菌はグラム陽性(紫色)でした。

後者の検査では、アピ20Eキットを使いました。菌の懸濁液を20個の穴に入れて、1日後の色を判定し、いくつかにはさらに薬液を投入して色の変化を見ます。その20個の色をパソコンに入力すると、何という種であるかをその確率とともに判定してくれました。見事でした。

受講生の感想を少しだけ紹介します。

  • (高校2年)今回の実習では色々なことを学ばせてもらいました。一番印象深かったのは、生きたマウスから解剖に至るまでの作業で、いかにマウスに負担をかけないかというところにも生命倫理というものがあるのだと実感しました。マウスの解剖でも体の仕組みというのは緻密で教科書や授業では理解しきれないことまで学ぶことができました。将来は獣医も考えているので今回の体験はこれからの人生においても貴重な時間となりました。また同じような講座があれば受講したいと思います。本当にありがとうございました。
  • (高校1年)生物基礎の授業が少ししか進んでいなかったので、自分にとっては少し難しかったですが、この実習を通して生物にも興味を持つことができました。研究施設の見学や魚もとても面白かったです。ありがとうございました。
  • (高校1年)大学レベルの実験をすることができ、楽しかった。自分自身のキットで同定して、自分で細菌を特定し、「緑膿菌」の同定に成功することができて達成感を味わうことができた。
  • (高校1年)最初は緊張も少しあり、硬くなっていた上に、初耳の単語がたくさん出てきて戸惑ってしまった部分はあったものの、実習を進めていく中で、PCR法やDNAの構造に関する理解も深まったので、作業をする時も問題なく行うことができた。また、ボール投げでは実際に体を使ってしたことで、教科書などで学ぶことよりも何倍も理解できた。人を司る脳も簡単に書き換わってしまったことにはとても驚いた。これまでは医学部以外はあまり知らなかったが、理学部から研究者という選択肢も考えるようになった。授業で文字で学ぶよりも、手を使い目で見ることでさらなる理解につながった。ありがとうございました。