6月27日(水)放課後、上記標題のSSセミナーが開催され、30名の生徒が受講しました。
講師として、京都大学情報環境機構機構長(システム工学 教授)喜多 一 先生をお招きし、貴重なお話をいただくことができました。
「AIが普及するにつれ仕事がなくなる」、「AIが人を超える」など根拠の乏しい興味本位の情報が溢れる中、『本当のところはどう?』と参加した生徒は先生の講義に聞き入っておりました。
システム開発や高度な情報教育のオーソリティーでいらっしゃる喜多先生より、ハードウェアの仕組みや発展、ソフトウェア開発の重要性、コンピュータ+ネットが提供してくれている様々なサービスを紹介していただき、徐々に、AIという怪物の姿が客観視できるようになりました。
“自動運転”,“地球温暖化のシミュレーション”,“新幹線先頭車両の形状と遺伝的アルゴリズム”,“エレベーターが各フロアーで1cmの誤差なく静止する”など、AIが持ち前の予測力や設計力を発揮し様々な場面ですでに活躍している、とのことでした。反面、AIは演繹や帰納法などの推論は得意でも、人が当たり前に活用しているアブダクション(仮説推論)に関しては、まだまだな状態である、とのことです。
AIが必要とする大量データのプライバシー問題や学習結果の評価・責任の問題。AIの悪用(犯罪,軍事,格差の拡大など)に対する警鐘。最後に、『君が“社会”について、“どうあってほしいか”,“あるべき姿はどのようなものか”をしっかりと考えることが、AIにとって最重要である』、と締めくくられていました。