JSTのさくらサイエンスプランに採択され、2017年5月28日から6月3日の7日間に渡って、タイ・ナワミン高校の高校生と教員を日本に招へいすることができました。
初日は、本校の高校2年生GSコースの生徒が歓迎会を開催し、両校の学校紹介プレゼンテーションが行われました。4月から使用が始まった、新校舎サイエンスストリート(理科教室群)を中心に学校見学を行った後、ホスト生徒の教室で本校の授業を体験しました。
2日目は、エボラウィルスの共同発見者で国連事務次長を歴任されたロンドン大学のピーター・ピオット学長らをお招きして本校で開催した「グローバルヘルス・シンポジウム」に、パネラーとして参加することが出来ました。
3日目には京都工芸繊維大学の小原研究室を訪問し、タイからの留学生による、研究室案内や実験体験を実施していただきました。ここでは7名のタイ留学生と昼食をともにし、日本における留学の生活について話を聞くことが出来ました。また、国際課の職員も駆けつけ、留学生入試の資料冊子が全員に配布されました。ナワミン高校の生徒の中には日本の大学への進学を真剣に考えている生徒もおり、留学が現実味を帯びたと喜んでもらえました。
4日目は大阪大学レーザー科学研究所を訪問し、講義の後、巨大なレーザー施設を見学しました。タイの生徒は日本の生徒と比べて非常に積極的で、沢山の質問がでました。日本の大学に入学する方法の質問もでたため、国際交流課から特別に留学生入試要項をいただきました。最後のアンケートの回答にも「将来研究者として再び日本を訪れることを強く希望する」「学生として再び日本を訪れる」と再来日を希望する生徒が多くみられたことから、今回の事業は大変有意義なものであったと思います。
この事業の遂行においては、タイのラジャマンガラ工科大学タンヤブリ校(RMUTT)ソンマイ副学長のご尽力があり、副学長とナワミン高校の校長先生も急遽、本校に来校され、さらにこの夏には、本校生徒がナワミン高校へ研修旅行に訪れることも決定しました。そこではRMUTTも訪問し、日本とタイ高校生が共同で実験活動をすることも決定しました。
今回のプログラムを通じて、物理実験、化学、大学レベルのバイオ実験、ロボット制作の課題研究など、タイの高校生・教員にSSH指定校である本校の魅力をたっぷり味わってもらうことができ、日本の科学技術や学校教育の様子を十分周知できたと思います。また、今後の両高校、および京都工芸繊維大学・RMUTT両大学の相互理解にも大きく寄与したと考えています。
タイの高校生にとってアジアの憧れの国・日本に招へいされたことは、その若い心に大きな経験として刻み込まれたことと思います。引率教員からは、是非来年度もこの事業を継続してほしいとの強い要望を聞いています。次年度以降もさくらサイエンスプランによって本校とタイの高校の交流がますます盛んになることを願っています。